首里城公園〜首里城

静かに眠る苔色の龍潭池、水鳥が遊ぶ円鑑池などを抜け首里城郭内へ

龍潭

濃緑の水面に陽が射すと明るいモスグリーンに輝く池、”龍潭(りゅうたん)”[写真右]。池際の樹林が龍潭を守るかのように覆いかぶさっている。対岸の緑の向こうには首里城がかすかに見える。

首里は琉球沖縄の最大の王城のもとに形成された城下町である。そのため首里城を中心に世界遺産や遺構、文化財などが多く集束する地域なので、しっかり味わうには一日がかりとなる。首里めぐりの中でも第一は云うまでもなく首里城なのだが、そこを目指すと自然に首里城公園にアクセスしてしまう。

その北側の入口に横たわる龍譚は、応永34年(1427)に造成された人工池である。人造だがその歴史は古く、江戸期よりはるかに古い室町中期の真っ只中に造られた池だ。沖縄では第一尚氏王朝の時代である。王朝の歴史は無論のこと、太平洋戦争の沖縄戦で首里城など全壊した首里城下を静かに見守ってきた龍潭。

池の最奥部で隣接するもうひとつの池が ”円鑑池(えんかんち)” という。人なつっこい水鳥が岸に上がりあちこちで遊んでいる。


円鑑池は龍潭に比べかなり小さな池で、境に龍淵橋(りゅうえんきょう)と呼ばれる有形文化財の橋が架かっている。橋と云っても橋下は小さな穴が穿たれているだけの堰(せき)のような造りになっており、龍潭へ放出するための水量調整の役割をしているようだ。

円鑑池の中に天女橋という小橋で繋がる浮島のようなところに御堂が建てられ、弁財天が祀られている。最初に造られた1502年当時は高麗(朝鮮)から贈られたお経(方冊蔵経)を納める経堂で、橋の名も観蓮橋と呼ばれていた。その100年後の1609年に九州薩摩藩の侵攻を受け壊滅。1621年に御堂を再建した時、弁財天を祀り弁財天堂とし、橋の名も天女橋と改めた。

首里城への入口に守礼門があるが、その手前右側に世界遺産に登録されている ”玉陵(たまうどぅん)” がある。1501年に創建された琉球第二尚氏王統歴代の墓所である。

やはりこの陵墓も沖縄戦の被害を受けたが、3年の歳月をかけ復元された。三連の石造破風墓には荘厳な雰囲気が漂うが、両脇上部から下を見下ろすシーサーの表情がコケティッシュで周りの空気を和らげている。

玉陵から歩いてすぐのところに守礼門がある。首里城の名刺がわりになっているあまりにも有名な門だ。

守礼門をくぐるとすぐ左手に見えるのが、”園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)”で、これも世界遺産に登録された遺構。

沖縄では「御嶽(うたき)」というのは霊域で拝所を意味し、ここでは石門の奥にある深い森を指しており石門が拝殿の役割を果たしていた。王は遠征する度に礼拝したという。

城の正門にあたるのが”歓会門”で、本土には無い中国風2層アーチ型の門。ここをくぐるといよいよ首里城郭の内域である。

そこから正殿までに ”瑞泉門”、”漏刻門”、”広福門”、”奉神門” の4つの門を通り抜けるのだが、なかなか楽しい経路である。なお ”奉神門” から有料となる。


正殿のある ”奉神門” に入ってしまうと順路通り出口の ”久慶門” まで行ってしまうので、無料ゾーンで鑑賞したいところは見逃さないよう注意したい。例えば ”瑞泉門”に上る石段の右脇にある ”龍樋(りゅうひ)” は王族の飲料水として使用していた湧水。ちなみにここから湧きでた水は円鑑池に流れこんでいる。また ”広福門” をくぐって右へ歩いて行くと ”西のアザナ” と呼ばれる物見台があり、首里城随一の景観を満喫できる。標高が130mあり、晴れた日には慶良間諸が眺望でき、ことに夕景は絶品。

”奉神門” に一歩入るとそこは整然とした庭で、正面には大きな龍柱一対を配した正殿が朱色に輝いている。正殿の両脇に南殿(右側)と北殿(左側)が隣接し、鑑賞順路は南殿から入室し正殿を巡り北殿に至るルートとなる。南殿は特別展示室などのほかに書院の建物にも繋がっており前庭なども鑑賞できるが、正殿に入室するまで撮影はいっさい禁止である。正殿内部の造りも匠の技で素晴らしい復元を見せる。

退出後もまたふたつの門、”右棭門(うえきもん)”と ”久慶門”をくぐりながら出口へと向かうことになる。首里にはこのほか金城町の石畳道や王族菩提寺の円覚寺跡などの名所がある。

 写真左上3枚:”西のアザナ” と眺望 右3枚:首里城正殿内部2階(大庫理)と展示されていた「王印」と「王冠」

 中央写真:正殿正面 左写真:”龍樋” 龍の口から湧き出る水


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首里城

首里城公園管理センター
住所 那覇市首里金城町1−2
電話 098−886−2020
施設 売店/レストラン/トイレ/総合案内所/駐車場(116台)/

    バリアフリー設備有

有料区域 奉神門(改札)・正殿・南殿・北殿・番所・書院・鎖之間
開館時間 9:00〜19:30(春・秋)20:30(夏)18:30(冬)
休館日 毎年7月の第1水・木曜日

入館料 大人800円 高校生600円 小人300円 6歳未満無料

玉陵(たまうどぅん)

玉陵管理センター事務所
住所 那覇市首里金城町1−3
電話 098−885−2861
開館時間 9:00〜18:30
休館日 無休

入館料 大人200円 小人(中学以下)100円

交通
 ゆいレール 首里駅より徒歩15分
 BUS バス停 「首里城公園入口」下車5分(市内線)/バス停 「首里城前」 下車スグ(ゆいれーる首里駅から首里城下町線・100円)

 車 那覇空港より 40分(国道58号線北上−泊高橋交差点の信号を右折し県道29号を東へ−池端の信号を右折してスグ)